お客様

「人生が変わる」とか「成功する」とか、ビジネス書籍売り場にありがちキャッチが大嫌いで大嫌いで。どう云う顔して買うのかと思ってた。

そもそも如何にもビジネスなタームは丸ごと嫌いで、かと云ってギークとか云う言葉を自嘲気味なんだろうが肯定的な文脈で使うのも嫌で嫌で。どう自己同定したって、所詮は資本主義の尖兵じゃねぇか。

なんせ29歳まで遊び人で通して暮らしてて、かと云って自分探しだのモラトリアム野郎とは全然違くてだ、如何に資本主義からスポイルされるかを至上としつつ戦う男だった訳よ。

♪ウィー・シャル・大馬〜鹿〜ム〜

で、CDも何枚も出したしお客さんも一杯来たし、もういいだろってんで興味本位で就職したのが運のつき。今に至る訳で、そんな出自もあってビジネスめいた事はどうも受け付けなかった。

その一方で、なんてんですか、様々な修羅場をくぐり抜けて練り上げられて来たメソドロジーとか、仕事に対する態度とか、そう云うのは亦別で、ふとそう云うものに触れると、ああいいな、いいな、と思う。

こちらの方→id:habuakihiroの日記をひょんな事から巡回するようになって、はぶさんがどんなに技術寄りの話をしようと必ず「お客様」と云う言葉を使うのに、そのいいないいなの感情が湧いた。

パワポ資料にしたって、彼のものは必ず最後の1ページは「ありがとうございました」だ。なんて事ないのに、なんだか驚いたし、驚いた自分にも驚いたし、いいないいなと思った。

誠実なる民の誠実なる営みを、決してないがしろにしないってんですか。仕事に限らず、俺の至上のテーマなのだこれが。

まあ普段、気に食わない事があると、殺すリストとか心の中で作ったり、「革命成った暁にはラーゲリに送ってやる!」とか思ってますけどね、まあ許してよ。

そんな訳で真似っこ古事記(自主規制誤変換)で、俺も「お客様」を常用する事にした。未だにどうにもむずがゆくて照れ臭いけど、常用する事で見えてくるものは絶対あると思う。