消込再考

消込について、一晩寝てから、朝電車の中で考えたんですが。

おさらい

考えてみると、既存案件でどうして消込処理がしんどかったか、そして、頻繁に発生する業務の割りには、やり直しが効かない慎重を期する業務となっていたのかと云えば、要は処理のタイミングで振替仕訳をガンガン作っちゃってたからに過ぎないんではないか、と。

 借方               | 貸方
 -------------------|-------------------
 売掛金       1,050 | 売上        1,000
                    | 仮受消費税     50

って売上計上仕訳に対して

 借方               | 貸方
 -------------------|-------------------
 当座預金       950 | 仮受金       1,050
 振込手数料     100 |

って入金で消し込むと、そのタイミングで

 借方               | 貸方
 -------------------|-------------------
 仮受金       1,050 | 売掛金       1,050

って振替仕訳を裏でガシガシ作ってる訳です。

だから、消込を取り消したい、となるとこの振替仕訳に対して赤伝票を出さなきゃいけません。あと、売上明細単位の消費税額の合算と、請求単位の消費税額の誤差の分も

 借方           | 貸方
 ---------------|---------------
 雑収入       1 | 売掛金       1

こんな仕訳を作って消し込んでやらんといけない。この仕訳を作るタイミングも悩んだなぁ。一発目の消込か、請求書を作った時か。その場合は請求キャンセルした場合はやっぱり赤伝票出さなきゃ、とか。もう無茶な建て増し。

では、渡辺式ではどうなるか。まず、消費税誤差問題の解決策。

  • 売掛金 = 売上 として、売上計上時に算定した消費税額は仕訳と無関係
  • 入金から直接振替伝票を作っちゃう
  • 入金から消費税仕訳を作っちゃう

売上明細テーブルには、今まで通り消費税額があってもいいでしょう。社内運用として、目安として税込金額を知りたい事もあるでしょうし。ただし、この税額は得意先にも提示されない(請求金額から算定するから)、ただの参考値でしかありません。よって仕訳も無視しちゃえばいい、と。

よって誤差もシステム上管理する必要全く無し。そもそも、消すべき売掛金に消費税額が含まれてないんだから。

 借方               | 貸方
 -------------------|-------------------
 売掛金       1,000 | 売上        1,000

って売上計上仕訳に対して

 借方               | 貸方
 -------------------|-------------------
 当座預金       900 | 売掛金       1,000
 振込手数料     100 |
 
 借方               | 貸方
 -------------------|-------------------
 当座預金        50 | 仮受消費税      50

って入金仕訳がある、って形ですね。

消込を会計から解放する

で、消込ってのは要するに、営業活動の範疇と云うか、お客様ルールな訳ですよ。制度会計にも出てこないし、得意先も自分が入金した金額がどう消し込まれようと関係無い。ただ債権が(得意先からみて債務が)消えればいいだけなんだから。

よって、消込、やめちゃわないで、ガンガンやればいいんですよ。仕訳から解放されてんだから。位置付けとしては、振替伝票生成処理ではなくて、ただの入金額按分処理と云うかマーキング処理ってだけ。うわー気が楽だ。

 -------------      -------------      ---------------
 | 請求見出し |---●|  入金消込  |●---| 売上受領指示 |
 -------------      -------------      ---------------

こんなんでどうか。消込に使える金額は、売上受領指示テーブルの「取引額」にあたる訳です。何時消し込んでも何時削除してもオッケー。

また、前述の部課別得意先別与信残を捉えたいなら

 -------------      -------------      ---------------
 |  売上明細  |---●|  入金消込  |●---| 売上受領指示 |
 -------------      -------------      ---------------

とすればいいでしょう。明細一個一個消すの難儀な場合もあるので、請求単位で一括消込みたいな画面も作れば宜敷い。

これで、売上受領指示データの取引区分が「受取手形」だった場合、受取手形テーブルまで追っかけていって手形状況見れば、課別得意先別の未決済手形金額も押さえる事が出来ます。債権残がばっちり判ります。

入金消込に紐付いた売上受領指示テーブルのデータは、修正・削除は禁止としなきゃいけないかな。

しかも、売掛金の返還処理なんて割りとイレギュラーな事やっても、売上受領指示テーブルの「取引額」には違わないから、同一の建て付けでマイナスで残った未消込請求残も消せるぞ。

これが今までのだと出来なくって、裏でこそこそ自動でやったりして大変だったんだ。やったぜ!

またプラマイ

ん?するとだ、返還処理の場合はやっぱり取引額にはマイナス金額を入れた方が簡単かも。うーーーーんid:rokugen:20050831#1125478728で悩んだのが再燃。

遅かれ早かれプラマイ変換はせんといかんのだろうけど、何処でやるのが一番エレガントか。

  • 画面に表示する時だけ
  • 売上受領指示テーブル更新時
  • 得意先別月次売上SUMや月次売上受領取引SUMなど月次サマリーの更新時
  • 月次サマリーから仕訳明細を作る時

営業活動上、入金はプラス、出金はマイナスとなってた方が直感的でいい。それが消込考えてみて判った。

画面で表示する時ってのは、かなり嫌ですな。処理を突っ込む箇所が多すぎる。それに各UIそれぞれが業務要件を知っているってのもイヤンです。

プラマイを逆にしたりとかってのは、要するに仕訳はプラマイを符号でなく、貸借で表現するからってのが一番の目的なんじゃないでしょうか。

って事は、仕訳を作る所で逆にするのが一番良いんじゃないか。仕訳を起こすところか?

いや、仕訳を作るための元ネタを作る所でやっておくってのがいいんじゃないか。月次サマリーの月間マイナス売掛返還額にセットする時じゃないかな。

うーむ、悩むね。