そもそも

自分の本を出すと云う事は俺にとっては芸能人の活動のように凄い事だなあと思うんだけど、折角の自分の著作のタイトルに大真面目(多分)に「勝ち組」だの「負け組」だの使うセンスがもう、別世界だ。

「勝ち組」「負け組」のそもそもの意味を知る者にとっては、ここ数年でこれほど居心地の悪い言葉はない。

自分が客なのに「おあいそ」って店の人に云うのと同じくらい気持ち悪い。ただの誤用を超えて、そこに自意識が肥大したようなコノテーションを感じるのがもう、たまらなく気持ち悪い。

こう云ったあらゆる面での無頓着さが肉体労働的環境を生む元凶ではなかろうかと云う仮定してみるが、なんかもういいやと云う気になるのがやっぱり別世界だ。