仮受金で前受を管理する話続き

昨日、障害でお客様対応しました。請求書に乗せる入金額に、今回の締めの請求期間より未来の入金が紛れ込んで請求残の不整合。

すんごい恥ずかしいバグ。よく今まで何年も顕在化しなかったなあ。それだけ前受と云うのは珍しいって事なのだな。

解決後、経理の人が「1円だけ仮受金が残ったまま取引がなくなっちゃった得意先があって、債権関係の帳票にずっと乗っかってて邪魔くさいんだけど、仮受金返金処理するしかないんですよねー」と云うので、はいそうして下さい、と答えておいた。

で、ついでに世間話程度に、ちょっと聞いてみた。「仮受金はどのくらいの期間、仮受金のままで居て怒られないのか」を。

もう一回仮受金と前受金について確認してみる。

仮受金
入金は受けてはいるけれども、内容が不明あるいは未確定なものをいいます。できるだけ早期に他の勘定科目への振り替えが必要となります。
前受金
販売していない商品代金を前受けした場合に発生します。販売後は売上高に振り替えます。なお、この勘定科目ではなく売掛金勘定を用いることもあります。その場合、売掛金勘定がマイナスとなる場合もあります。

この仮受金の「早期に他の勘定科目への振り替えが必要となります」ってのが気になる。実際には商品代金として目的がはっきりしている入金なのに、システム及び会計事務手続きの簡略化のために仮受金で受けておくと云う事は、正確に金の動きを表してはいないので、あまり宜敷くないのではないか。

通常は、入金して速攻で消し込まれて「仮受金/売掛金」の形になるので問題にはならないが、仮受金がずっと残った場合、会計監査などで突っ込まれないもんなのか。

仮受金も前受金もBS上は「その他流動負債」に当たるんで、不正に負債を操作してる事にはならないと思うんだけど、勘定単位ではどうなのかなーと。

答えはこんな感じ。

  • 仮受金が残ってるからと云って監査でどうこう云われる事はない。この問題は監査と云うより、得意先の価値観に拠るので得意先毎に判断するべき。
  • ずっと残ってるのは大概、得意先が勘違いして多く入金したものの、1円とか極少額なので何も云って来ないってケースが殆ど。
  • 取引中の得意先の場合、先方に問い合わせても、殆どは「あー仮受金のまんまとっといて良いです」と云われる。直ぐに次回売上が発生するのがはっきりしてるから。
  • 期末に、やはり綺麗にしておこうかなあと思ったら、期末時点で他勘定(聞き流して勘定名は失念、収益科目と思った)に振り替えて、期首でまた仮受金に戻したりすれば良い。残はそれで合う。
  • よって今までの仕様で問題無いですよ。

だそうですよ。

お客様も、必要以上に正確に科目を捉えようとしてバギーなものや運用し難いものが出来上がるくらいなら、期末・期首でこちょこちょ振り替えたりして対応した方がよいのだな。

勿論これはお客様によっては違ってくると思うが、お客様に特にアイデアがないんだったら「仮受金で全部受けちゃいませんか?」と提案するのは、アリだと判断。うむ。