これもYAGNIってんでしょうか
ちょっと前に書いた愚痴での、見積もり済んでるのに要件が全然判ってない件、判明。
恐ろしい、ああ恐ろしい。なぜにこう外部とのインタフェースを軽く考えて安易に「出来ますやります」とほいほい引き受けるのか。引き受けるのは良いとして、なんでこうもかるーく見積もるのか。理解できん。
前の案件でも同じようにいい加減に「出来ますやります」で痛い目あって(この時は逆にこっちにインポート)、今度から気をつけましょうよと申し上げたのに。
愚痴は置いといて、問題は仕訳なんですけど、これがなかなか悩ましい。別に悩む様な仕訳じゃないんだけど、お客様の要求が悩ましい。
このお客様は外食産業でして、仕入先からの仕入には原材料仕入高や商品仕入高だのと、外注費だの消耗品費だのに大きく2つに分かれます。これらは仕入明細の内訳として、システム上で明細単位で管理してます。仕訳の段階でこれらは借方勘定に使えます。コードも会計パッケージと同期が取れてます。
因みにこのお客様の業務では、仕入は全部締めて後払い、掛です。
では、貸方はどうなるか。これはシステム上では不要なので管理してません。今回、CSV出力時点で仕訳なきゃいけないので、貸方勘定をシステムが自動でセットしてやる必要があります。前述の内訳の場合、普通、前者は買掛金、後者は未払金になりますね。つまり、仕入明細の内訳でどっちをセットするかが決定出来る訳です。
これはお客様の業務ルールじゃなくて、よのことはりとゆう奴です。
ですが、お客様の業務ルールでは
だったのです。
そりゃ現時点それでオーケーかも知れませんが、それはたまたまですよ。外食産業ですから、仕入先から仕入れるものってのは大体決まってきちゃうからなんでしょうね。食材、飲料などなどと、人などのリソース関連とまっぷたつ。現在のデータモデルを見ると、仕入先ごとに、仕入明細に設定出来る内訳が決まっています。
でも、もし今まで商品仕入しか行ってなかった仕入先から、何時の日か消耗品とか買う事になったとしたら、その時点でまた作り直しです。もしくは、買掛金用と未払金用で仕入先コードを2つ作るとか、今まで散々見て来てうんざりな、ボロボロのシステムにありがちな、「運用でなんとかして下さい」作戦しかないでしょう。
何せデータモデルが「よのことはり」と合ってない。これが不安です。
じゃあ「世の中どういう内訳の仕入かで貸借が決まるんですから、仕訳パターン自体を管理した方がいいんじゃないですか?」と持ちかければよいでしょうか。
今回、お客様は「本番稼働中のシステムに対する小さな改善」くらいにしか思ってません。要件定義できっちり話を詰めない内に見積もり出しちゃって、お客様も稟議通しちゃってますから。
今までお客様は仕入先単位で貸方勘定を管理して居てそれが当たり前な訳ですから、今から業務ルールを変えてくれと云うのはかなり無理があります。お客様も今までと違う事をやるのは相当抵抗があるでしょう。そんなつもりで頼んだんじゃないんだから。
- 仕訳パターンを管理する場合
- 仕入先マスタに「仕入仕訳貸方勘定コード」とかカラムを追加する場合
- 現在の業務ルールがそのままデータモデルに
- 既存画面に入力欄が1個増えるだけ
- 当たり前の会計本来の姿からすると間違ってる
- よって、ちょっとした業務内容の変更に弱い
本当ならこの2つを提示して、お客様にそれぞれの長所・短所を説明して、どっちを取るか納得ずくで決めて戴くのが筋でしょう。そうしないと、お客様も開発者も両方共泣きを見てしまいます。
まあ今回は差し迫ってますんで、後者で行きますよ。愚痴もここで吐いてガス抜きしたし、笑顔で頑張るぞ。オトナだもーん。