事業立ち上げ

今引き合いがあるお客様で、全く新規に会社を作って事業を立ち上げると云う方がいらっしゃいます。

事業内容自体も新しいもので、国内では例が無いとか。話を聞くとなかなか面白い。

で、BtoCサイトをデモンストレーション用で作ると云う話がまずあって、それはいいんですが、その後はバックエンド、つまり売上仕入から在庫管理、売掛金管理から会計パッケージにつなげる、結構本格的なシステムまで作りたいとおっしゃる。

システム担当の方がよく判ってらっしゃって、ざっくりとはしてますが業務フローを(っていうか、データフローって感じかな)、ドラム缶のアイコンまで付けて作って下さってます。

が。

業務の規模が現時点でまったく判らない。上記フローも教科書ぽい標準的な販売管理システムらしい形にはなってるんですが、それ以上ではありません。まだプロセスが未確定なので、ざっくりと売上・仕入・入金云々ってしか書いてない(これが教科書ぽいって所)。ほぼ、扱うであろう書類やドラム缶同士が矢印でつながってるだけなのです。なので業務フローってよりデータフローって感じになってる。

ああでもデータフローにもプロセスはあるよなあ。なんていうんだろうこれは。

そもそも、そんなシステムが必要な程の業務規模なのかも判ってないんです。日本において、扱う商品がどれだけ売れるもんなのかも判らない。まだ実際に商売してないから、詳細な業務フローだって確立されてない。まっことこれからの話。

思ったんですが、最低1年位はお客様で紙やEXCELなどを使って、仕事を回してみる。で、その中で「こりゃかなわん」とか「しんどい」とか「無駄な事やってる気がしてたまらんのだが」ってエンドユーザーさんが実感出来ないと、本当に使えるシステムって出来ないんじゃないかなあ、と。

最初から、お仕事の内容が人間の手作業じゃ絶対無理ってのが確実ならば判るのですが。

なので、ミーティングで、取り敢えずバックエンドの部分は提案するのやめた方がいいんじゃないですか、って云いました。

今の時点で教科書的な販売管理システムを作った所で、仕事が実際に回り始めて数ヶ月もすれば、あれが出来ない、これが出来ない、使えないって事になるんじゃないかなと思うし、システムって高い買い物ですから、なんかこっちが気を遣っちゃいます。上司も「もっともだ」って事で納得してくれました。

事業の新規立ち上げに立ち会った事ってないんですが、既に業界としてのルールや標準的な業務フローが確立されているなら判るんですけど、普通はどうなんですかねぇ。

ああでも、これくらいのシステムなら安い値段でポンポン作れちゃうって環境が整ってれば、まず作ってしまえ!って選択もアリなのかも知れない。

そうか、そう云う事にもなる訳か。むむむ。

で、この場合の値頃感ってのはどうなのだろうか。むむむむむ。100万じゃまだ高い様な気が。